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離婚の基本~離婚をするための3つのルート~

 今回は、離婚の基本について解説していきます。

離婚は自由にはできない

 基本中の基本ではありますが、夫婦の一方が離婚をしたいと思ったら、相手に構わず自由に離婚ができるか?
 答えはノーです。
 個人的には、どうかと思うところはありますが、離婚は自由にはできません。
 法律では、3つのルートのいずれかをとらなければなりません(審判も混ぜれば本当は4つですが、審判離婚がなされることはほとんどありませんので省略します)。
 この3つのルートについて、以下、解説していきます。

協議離婚

 お話合いによる離婚です。
 役所に行けば離婚届がありますので、これをもらって、夫と妻、双方が離婚届に署名して、必要事項を記入して役所に提出すれば離婚成立です。

協議離婚のポイント

 協議離婚は、あくまでも夫婦双方が離婚に合意していないとできません。
 そのため、一方が離婚を拒否すれば協議離婚はできません。
 また、2人に未成年の子どもがいる場合には、どちらを親権者にするか、決めなくてはいけません。
 これも、話合いです。

 協議離婚が成立しない場合には、以下の2つのルートのどちらかを選択する必要があります。

調停離婚

 家庭裁判所を使った離婚の方法です。
 家庭裁判所に行って、「調停離婚をしたいのですが」といえば必要書類や書き方を教えてくれます。
 東京家庭裁判所のホームページにも書式等が載っていますので、リンクを張っておきます
 参考にされてください。

 調停は裁判所を使った手続で、家庭裁判所が選任した調停委員(たいてい男女1名ずつ)という人を交えた話合いです。
 調停委員は、双方の話をきいて、妥協点を探っていきます。

調停離婚のポイント

 調停は、調停委員が関与するとはいえ、あくまでも話合いです。
 双方が合意しなければ離婚は成立しません。

 調停離婚であれば、後述します離婚原因が認められなくても離婚が認められますが、離婚原因があるかどうかというのは非常に重要です。
 離婚原因がある(つまり、裁判にして離婚できる)のであれば、調停の場でも強気の交渉ができるでしょう。
 反対に、離婚原因がないのに離婚したい、というのであれば、ある程度譲歩が必要になることが多いでしょう。

 調停委員は、あくまでも第三者の立場で話合いを成立させようとしますが、調停委員は中立であって、どちらの味方でもないという点にも注意が必要ですね。

裁判離婚

 裁判離婚は、もはや話合いではありません。
 ですので、一方が離婚を拒否していても、法律が定める離婚原因さえあれば、強制的に離婚できます。
 (もっとも、裁判中も成立しそうであれば、和解が試みられます)

裁判離婚のポイント

 離婚原因がないと離婚できません。
 離婚原因というと、不貞行為(浮気など)や暴力などです。
 性格の不一致はよくあるのですが、これでは認められないことが多いです。
 「婚姻を継続しがたい重大な事由」がある、と立証していく作業が必要です。

まとめ

 離婚のルートは、主に協議離婚・調停離婚・裁判離婚の3つ。
 協議離婚も調停離婚も一方が離婚を拒否したら、成立しない。
 一方が拒否しても離婚をできるのは、裁判離婚。
 裁判離婚が認められるか否かは他の手続でも重要。

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