前回は、インターネットを活用した情報収集についてふれました。
しかしながら、ネット上で拾える法律事務所の情報は極めてわずかです。
基本の情報収集は、あくまで『人』です。
弁護修習先が一番の情報源
同業者のことは同業者が一番よく知っているものです。
「どこそこの事務所は、弁護士一人しかいないけど、来年会長だから、人手が足りないんじゃないかなぁ」とか「あの事務所だけはやめておけ」というように、アドバイスをしてくれる方が多いでしょう。
場合によっては、「きみの事務所は修習生を採用する気はない?」と知り合いの弁護士に電話をかけてくれることもあります。
また、最終的に、修習先の事務所で就職している方が、私の周りでは多かったです。
もっとも、弁護士は十人十色です。
それに、弁護修習の受入先には、修習生の就職の便宜をはかる義務はありません。
こういったことをやってくれない先生もいらっしゃるでしょうし、それを恨んではいけません。
ただ、修習生を受け入れる弁護士は、自分のところの修習生の就職先が心配な方が多いです。
最初からあきらめるのではなく、まずは相談してみることが重要でしょう(ただ、弁護士が忙しそうなときとかイライラしているときは避けましょう)。
修習先以外の弁護士も重要
修習先以外の弁護士でも、つながりができれば、それとなくどこかに就職先がないか尋ねてみると良いでしょう。
修習生には親切な弁護士が多いです。
じゃあ、どうやって繋がりをつくるの? ということですが、正直、ケースバイケースです。
私の経験談ですが、修習生の歓迎会で知り合うのがまずは多いでしょう。
ほかに、民暴事件に興味を持っている、と弁護修習先の先生に話をしたら、配属先の先生が民暴委員長に連絡をとってくれ、現在進行中の民暴事件を見ることができました(その際、実際に担当されている先生の事務所に行き、起案やリーガリリサーチもさせていただきました)。
暇なときに自由と正義をさらさらっとめくっていたら、ある弁護士の興味深い体験談がのっていたので、その弁護士にもっと詳しくお話をきかせてくれませんか、とお手紙を書いたところ、実際にお会いすることができました。
よく通っていた定食屋で、同じく常連の弁護士と知り合うこともありました。
このように、弁護士は修習生に非常に興味を持っているものですので、その立場を使って人脈を広げると良いでしょう。
裁判官・検察官の情報源
裁判官や検察官には、就職の便宜をはかるということをあまり期待すべきではないでしょう。
ただ、その弁護士が、『裁判官もしくは検察官の視点からすると』良い弁護士か否かという情報は持っています。
参考程度にきくと良いでしょう。
しかし、特に検察官の意見は、立場が正反対の人間からの意見です。
検察官から見てダメな弁護士でも、同業の弁護士から見れば良い弁護士も多数います。
意見は立場によって形成されるものである、ということを差し引いて考えましょう。
民事・刑事弁護教官の情報源
民事弁護教官・刑事弁護教官は、多数の修習生の面倒を見なくてはいけません。
ひとりひとりの就職先の面倒をみてあげることはさすがにできません。
昔は、就職先が決まらなかった修習生を押し込んで、ということもできてはいましたが、今はさすがにそうはいきません。
ただ、周りの弁護士の噂程度であれば知っていることもあります。
弁護修習の配属先の弁護士は、さすがに、同じ弁護士会所属の弁護士の噂程度しか知らないことが多いでしょう。
地方に配属されたが、東京の事務所に内定がでたような場合には、教官に内定先の事務所の情報をきくと教えてくれることがあるでしょう(もっとも、東京の弁護士の数はあまりに多すぎて、教官も知らないこともあります)。
親族・知人・恩師にも頼る
自分はつながりがなくても、意外なところで弁護士と繋がっている方は多いものです。
親族や知人に、弁護士の知合いがいれば、紹介してもらうと良いでしょう。
高校時代の恩師に、教え子の弁護士を紹介してもらい、そこに就職が決まったという人もいました。
このように、色々な伝手を使って情報収集をされると良いのではないでしょうか。
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