弁護士ブログ

弁護士が早期独立もしくは即独するなら、どの地域がおすすめ?(東京郊外編)

 今回は、東京都内の都心部以外の地域で開業する場合について解説していきます。
 都心での開業に関しては、こちらの記事をご覧になってください
 この記事は、山手線の外側や23区外あたりを前提に記述されているとお考えください。

意外と激しくない競争

 山手線の外側や23区外の東京都内は、意外と手薄のように思われます。
 都内の弁護士は23区内、それも山手線の内側に集中しているように思われます(正確な統計を元にしたものではなく、私の感覚ですので、間違っている可能性があります。ご容赦ください)。
 山手線の内側は激戦区です。ここで勝ち抜くには、それなりの戦略や集客力が必要となるでしょう。
 これに対して、調布などのように、山手線からちょっと離れるだけで、弁護士の数はガクンと減ります。

 たとえば、日弁連の弁護士検索を用いて、東京都新宿区の弁護士を検索すると、1358件ヒットします。
 千代田区に至っては5766件もヒットします。

 これに対し、調布市で検索してみるとわずか21件、八王子市で82件、立川市でもわずか156件です(いずれも、2014/6/17時点調べ)。
 ちょっと郊外に出れば、途端に弁護士の数が少なくなります。
 弁護士の数が少ない(同業者の数が少ない)、ということは、競争もそこまで激しくないということを意味します。

 調布市の人口は約22万人。それに対して弁護士が21人になら、弁護士1人に対して人口1万人という弁護士過疎地並の数字になります。
 どうです? この数字だけ見ると、「法律事務所の看板を掲げておくだけで、お客さんが来るかも」という気分になりませんか?(実際はそこまで単純ではありませんが)

狙いは地元客

 もっとも、東京都内はインフラが非常に発達しています。
 とくに鉄道網はすさまじいレベルです。そうすると、地元住民が困った時でも、

「ちょっと遠くても、良い弁護士に相談したい」

と考え、地元を敬遠して、都心部まで足を延ばすことが考えられます。
 深刻な問題、たとえば会社や自分の人生を左右するような重大問題ほど、このような傾向が強くなるのではないでしょうか。
 人間不思議なもので、実際はそうとは限らないのに、都会にいる弁護士は優秀な弁護士、と思ってしまうものなのです。
 ですので、市内の人口比でみれば弁護士過疎地並でも、かなりの数、都心部に相談・依頼が流れて行ってしまっていると考えたほうが良いでしょう。

 これに対して、山手線の内側の人間が、わざわざ八王子や調布まで相談に来るかという疑問があります(もちろん、その弁護士によほどの魅力があれば、話は別です)。

 ただし、全ての地元住民が都心に流れて行ってしまっているわけではありません。
 近くの弁護士に相談したい、誰でも良いので、弁護士に相談したい、というニーズはかなり強くあるものです。
 こういった客層をターゲットにして集客してみてはいかがでしょうか。

広告手段について

 地元の弁護士に相談したい、という客層をターゲットにする場合、意外と集客はしやすいようです。
 同業者は、そもそも、ホームページを持っていなかったり、持っていたとしても、あまり力を入れていないというパターンが多いのではないでしょうか(このへんは、開業される前に調査されることをお勧めします)。
 そのため、ホームページ制作業者さんに頼んで、少し見栄えの良いページを作ってもらい、ちゃんと更新していくだけで自然検索で上位表示されたり、リスティング広告も安上がりになるでしょう(ただし、リスティング広告は、ちゃんと地域を絞りましょう)。

比較的安い賃料

 郊外の魅力は賃料の安さです。
 地方と比較すると、それでも高いでしょうが、都心と比べれば地価はかなり安いです。
 坪1万円強で、駅近の良い物件を見つけることもできるでしょう(こればかりは地域によりますが)。

郊外で地盤を固めてから都心に進出も

 「俺は郊外なんて嫌だ! 都心でビッグになりたいんだー」
という人も、発想の転換をされてみてはいかがでしょうか。
 比較的競争の激しくない郊外で開業し、収益が安定してきたら、事務所のブランディングも狙って、都心部に進出という手もあるでしょう。

郊外も最近は厳しくなってきている

 とはいえ、弁護士数の激増にともない、こういった郊外で開業される弁護士も増えています。
 今後は、いっそうの競争激化が予想されますので、いつまでも甘い地域ではない、ということ、既に競争激化している地域もありますので、開業場所の選定は気をつけておく必要があるでしょう。

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