今回は、革靴の選び方について解説していきます。
　革靴については、こだわりのある方も多いです。
　採用する側がこだわりを持っている方である可能性もありますので、注意が必要です。
　とはいっても、革靴について、ある程度知識がある方が好印象を抱く靴は、通常、奇抜な靴ではありません。
　TPOをわきまえた靴を選んでいるか、ちゃんと手入れを怠っていないかに注目しています。
　TPOをわきまえ、手入れがされた靴は、靴にこだわりがない方にも、悪い印象を与えることはありません。
　そこで、靴の選び方で目指すべきところ（靴で損をしないために）は、こだわりのある方に、「ちゃんとわかってるね」と思わせる靴を選ぶことです。

基本は、面接の場にふさわしいフォーマルな靴を選ぶこと

　革靴といってもいろいろな種類があります。
　靴の色、紐で結ぶタイプか、メダリオンがついているか。
　それぞれにTPOがありますので、革靴だったら何でもいいや、という考えは、できれば改めたほうが良いでしょう（もっとも、革靴文化が浸透して間もない日本では、大多数の人は「スーツには革靴だけど、革靴ならなんでもいいや」と思っていることは否定できません。ですので、ここでこだわりを持っても、そのことを評価してくれる人は少数であることに注意しておいてください）。
　革靴選びの基本は、面接という場所にふさわしい靴、すなわちフォーマルな靴を選ぶことです。

ひも靴を選ぼう

　スリッポンは楽です。
　大多数のおじさんたちは、スリッポンを好みます。
　ただ、こだわりを持っている人にとって、スリッポンはカジュアル用であるという認識があります（ただし、モンクストラップやダブルモンクはＯＫ）。
　ここでは紐靴を選んだほうが無難でしょう。

色は黒色

　茶靴は、黒に比べてカジュアルな印象があります。
　靴にあまりこだわりがない方でも、茶靴のカジュアル感には敏感になることが多いです。
　色は、フォーマルな黒を選びましょう。

ストレートチップかプレーントゥを

　ストレートチップ？　プレーントゥ？　なにそれ？　という方もいらっしゃるでしょうが、これは靴のつま先の形状のことです。
　ストレートチップは、靴のつま先の部分に横一文字の縫い目がある靴です。内羽根式の黒のストレートチップは最もフォーマルな靴です。結婚式でも履いていけます。
　プレーントゥは、靴の甲やつまさきにかざりのない靴です。フォーマル度では、ストレートチップのほうが上ですが、少しカジュアルな雰囲気がある分、どんな場所にでも履いていける気軽さがあります。
　面接に履いていく際には、どちらでも良いですが、ストレートチップが無難でしょうか。

写真はストレートチップのつま先です。横一文字の縫い目があるでしょ。

メダリオン（穴飾り）はないものを選びましょう

　靴のつま先に穴飾り（メダリオン）が施してある靴があります。
　メダリオンは多ければ多いほど、カジュアル度が増します。
　メダリオンがどうしても欲しい場合は、パンチドキャップトゥ（ストレートチップの横一文字の部分だけ穴飾りがあるタイプ）程度にしておきましょう。
　セミブローグ以上はカジュアル度が高すぎるので避けたほうが無難です。
写真はパンチドキャップトゥです。ちょっと分かりにくいですが横一文字の部分に穴が開いてます。

ストレートチップなら内羽根式を

　羽根の部分が外にでているものを外羽根式、内におさまっているものを内羽根式といいます。
　プレーントゥなら外羽根、内羽根どちらでも良いのですが（ほとんどは外羽根式でしょう）、ストレートチップなら内羽根式を選んだほうがよいでしょう。
　フォーマルなストレートチップを外羽根式にすると、カジュアル度がかなり増します（個人的には、外羽根式のプレーントゥよりカジュアルな気がします）。

写真は内羽根式の靴です。よくわからなかったら、この画像を参考にされてください。

皮底にすべきかゴム底にすべきか

　これはどちらでも良いです。
　ただ、皮底のほうが一般的に値段は高いです。
　修習生の予算を考えたとき、無理に皮底にする必要はないでしょう。
　ちなみに、ゴム底か皮底かは分からない、というのは間違いです。足音で明らかに違いがわかります（さすがにじゅうたんの上だとわかりませんが）。
　そこまで気にする人は少ない、というのが理由です。

まとめ

　以上より、私のおすすめは、最もフォーマルな、黒の内羽根式のストレートチップです。
　これを履いておけば、少なくとも靴の選び方で文句をつけられることはないでしょう。

写真は黒の内羽根式ストレートチップ

　次回は、靴の手入れについて解説していきます。
　どんな良い靴でも手入れをしないとみすぼらしくなりますので、靴の選び方と同じかそれ以上に重要です。