顧問弁護士の選び方に関する解説です。
今回は、顧問弁護士が提供するサービス内容についてふれていきます。
なお、くどいようですが、一連の記事は、仮に、私が顧問弁護士を選ぶとするとどうするか、という視点から書かれれています。客観的な記事ではなく、主観的な記事ですのでご注意ください。
弁護士の仕事のやり方は千差万別
私は花粉症なので、月に1回、病院に行って薬をもらっています。
病院に行くと、
1.受付で診察券と保険証を提出
2.自分の順番が来たら、診察室に入る
3.そこで、簡単に医師の問診を受け、
4.吸入をした後、処方箋をもらって薬局で薬をもらう
という手順を踏んでいます。
これは一般的な手順でしょうし、他の病院でも大差はないしょう。
これに対して、弁護士の仕事のやり方は千差万別です。
相談の手段だけとっても、面談、メール、電話、FAX(さすがに最近、FAXメインはないかな)がありますが、「うちでは面談でしか相談を受け付けません」という事務所もありますし、逆に「電話でしか相談を受けない」という事務所もあるでしょう。
相談方法について確認しよう
そこで、相談方法としてどのような手段を用いることができるのか、確認されると良いでしょう。
弁護士はけっこう忙しいです。
日中は出廷したり、弁護士会の仕事をやっていたりして、事務所にいないことも多いです。
そうすると、相談方法が面談だけだと、弁護士の空きスケジュールを確保するために時間を要したり、毎回、事務所まで行く必要が生じるので、時間のロスも生じるでしょう(もちろん、顧問先からの相談は深夜でも対応します、という先生や、自分から顧問先まで出向くという先生もいらっしゃるでしょう)。
そのため、弁護士へのアクセス方法が自社にあっているか、というのは契約の前に確認されたほうが良いでしょう。
仕事のスピードについて確認しよう
弁護士の仕事のスピードも千差万別です。
個人的にはどうかと思うのですが、依頼された仕事が早く終わっても、すぐには顧問先に返さないという仕事の方法もあるようです(私も人から聞いただけなので、そんな弁護士が実際にいるかどうかは分かりません)。
早く返してしまうと、顧問先から安くみられる(「そんな短時間しか要していないなら、まともなリサーチはしていないんじゃないか」、「そんな短時間で返せる仕事しかしてないのに、この顧問料は高すぎるんじゃないか」と見られる)のを避けたいので、仕事を寝かせるという方法のようです。
ビジネスはスピードとの闘いです。弁護士に仕事をふったときに、どれだけ早く返してもらえるか、というのもチェックポイントになるでしょう。
ただし、ご相談には何日以内にお答えします、という宣伝をされている弁護士はそうはいないでしょうから、スピードについては、仕事を通して確認していく他ないのかもしれません。
仕事の内容について確認しよう
弁護士には、統一的な仕事のやり方はありません。
企業「こういう問題がありますが、どうすれば良いのでしょうか」
と尋ねられた際に、
「Aというリスク、Bというリスク、Cというリスク……があります。これを踏まえて、どうされるかはビジネスジャッジになりますので、ご判断ください」
といった具合に、リスクをずらっと並べる仕事もあるでしょう。
法務部があるような企業であれば、弁護士から提示されたリスクを社内で適切に判断できるでしょう。
ただ、そうでない企業であれば、リスクをずらっと並べられても、どうすれば良いかわからなくなってしまうかもしれません。
また、
「大きいリスクとしては、Aというリスクがありますが、違法性はないでしょう」
という、大きなリスクの説明と、違法性判断にとどめる仕事もあるでしょう。
中小企業であれば、弁護士のほうで、違法かどうかを判断してくれているので助かるでしょう。
逆に、法務部がある企業であれば、大きいリスクだけでなく、ありとあらゆるリスクを知りたい、それを踏まえたうえで、自分たちで判断したい、と思いかもしれません。
さらに、
「違法ではないでしょうが、AというリスクやBというリスクがあります。このリスクを回避するために、こういった方法をとられるのも手です」
と、リスクヘッジの方策まで提案する仕事もあります。
私は、基本的にこの方法で仕事をしています。
ただ、この方法だと、大企業では、そんな提案は余計なお世話だ、と思うかもしれません。
このように、弁護士の仕事は千差万別です。
弁護士の仕事は一つだけではない、ということも認識されておくと良いでしょう。
見極めのために、相談してみてはいかがでしょう
最初から弁護士と顧問契約を結ぶ、というのはリスクがあります。
その弁護士がどんな仕事をしてくれるのか、スピードはどうか、というのは実際に仕事をしてもらうまでわからないでしょう。
また、一旦、顧問契約をしてしまうと、なかなか切りづらいものです。
そこで、顧問契約を結んでしまう前に、何回か、法律相談を弁護士にしてみるのも手です。
法律相談を通して、自社にあったリーガルサービスを提供してくれる弁護士を探すわけです。
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