前回、顧問弁護士と契約をする際の基本は「うまい」「早い」「安い」であると解説しました。
今回から、そのうちの「うまい」(仕事の中身)について掘り下げていきます。
顧問弁護士ってどんな仕事をしてくれるの?
どういう仕事をしてほしい、といわれても、顧問弁護士がどういう仕事をしてくれるのか分からない、という人も多いでしょう。
そこで、まずは、顧問弁護士がどんな仕事をしてくれるのか解説していきます。
顧問契約によってどこまでの仕事をするかは弁護士によって様々です。
どこまでが無料でどこからが有料か、その線引きはきちんと明確にしておきましょう。
以下は、私の感覚です。
無料の場合が多い仕事
・法律相談
・リーガルリサーチ
(これって適法なの? 違法なの? という調査)
無料か有料か分かれてくる仕事
・契約書等の文書チェック
・契約書の作成
有料の場合が多い仕事
・訴訟等の依頼
・代理人としての交渉
こんなのが一般的でしょうか。
法律相談やリーガルリサーチは、企業がよく利用する種類の仕事でしょうから、顧問契約を結んでいるとこれを無料としている弁護士が多いように思われます。
これに対して、訴訟など具体的な事件を依頼する際は、顧問料とは別に着手金や成功報酬がかかるのが一般的でしょう(つまり、顧問契約ではまかないきれない)。
わかれてくるのは、契約書チェックや契約書の作成ですね。
契約書のチェックはそれぞれの文言について、法的な検討が必要なことから、時間がかかります。
そのため、契約書のチェックや作成は別料金としているような弁護士も多くいると思われます。
よくある仕事ほど無料にしてもらおう
顧問契約を結ぼうとする際のポイントは、よくある仕事ほど無料にしてもらうということです。
たとえば、月々の顧問料を最低限の金額にしてもらって、あとは、仕事を依頼するごとに別に料金を支払ってもらったとします。
これは一見すると、合理的な依頼方法にみえます(仕事があるかないか分からないのに、定期的にお金を払うのはバカらしいですからね)。
しかし、これを有効に活用するのは難しいです。
なぜなら、有料となると、一定の歯止めがかかってしまうからです。
これを弁護士にきいてみたい、でも、きいちゃうとお金がかかる→今回はきくのをやめておこう、となることが多いでしょう。
企業法務部を設置しているような企業はまだしも、それ以外の企業で、ある問題が法的に重要かどうか分かるような方はごく少数です。
せっかく顧問弁護士がいるのに、相談せずにリスクを背負うのは適切ではありません。
顧問弁護士は、会社の法的リスクを下げるためにいるのですから。
また、弁護士に法律相談を依頼するかどうかについて、いちいち稟議を通していては機動性が損なわれます。
こうなってくると、弁護士と顧問契約を結ぶ意味が失われてしまいます。
そのため、日常的によくある業務については顧問契約を結ぶ際に無料としてもらうべきです。
無料の場合には気軽に相談・依頼できます。
弁護士に気軽に相談・依頼できるということは、それだけ法的リスクを下げることを意味しますからね。
このように、顧問契約を有効に活用するために、まずは、どういった顧問契約を結ぶかについて検討が必要です。
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