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通院交通費の問題~交通事故の被害にあった方のために~

 今回は、通院交通費の問題について解説していきます。
 交通事故の被害にあって通院をする場合、徒歩で通える範囲に病院があればよいのですが、そうもいかないのが通常でしょう。
 自家用車、電車やバスといった公共交通機関、あるいはタクシーを使って通院することがあるでしょう。
 こういった通院するために必要な交通費を、『通院交通費』といいます。

通院交通費はちゃんと請求すること

 通院交通費は意外と見逃されがちな項目です。
 加害者の保険会社はあなたの代理人ではありません。
 ちゃんと、通院交通費を支払ってください、と言わないと支払わないことがあるので注意してください。

公共交通機関の交通費が原則

 タクシーは例外的です。
 電車やバスといった公共交通機関を使った交通費しか支給されないのが原則です。

タクシーは例外的に認められることがある

 タクシー代は原則として認められません。
 公共交通機関を使って通院可能な場合は、交通機関を使うべきというのが裁判所の判断傾向です。
 ただ、どんな場合も支給されないということはありません。
 症状などによっては、タクシーの利用が相当な場合がありますので、その場合にはタクシー利用が認められます。
 たとえば、左前十字靭帯を損傷した事例(京都地判平成23年9月6日・自動車保険ジャーナル1861号53ページ)では、医師から公共交通機関を利用しないように指示されていたことなどの事情が考慮され、タクシー代が認められました。
 また、公共交通機関を利用するためには、自宅から駅まで一時間も歩かなければいけなかった事例(大阪地判平成7年3月22日・交通民集28巻2号458ページ)では、タクシー代が認められました。
 このように、タクシー利用がやむをえない、という事情が有る場合には、タクシー利用が認められることとなります。
 しかし、タクシー利用にいくらかかったかは後々で立証しなければいけないので、ちゃんと領収証はもらって保管しておいてください。

 こういうと、タクシー利用のハードルはかなり高いように見えます。
 しかし、保険会社によっては、比較的簡単にタクシー代を支払ってくれるところもあります。
 ただ、その場合には、あくまで事前にタクシー代を支払ってくれるかどうかを確認すること、後々になってやっぱり支払わない、などといわれるリスクもあるので、必要最小限に抑えることが重要といえます。

自家用車を使用した場合も通院交通費が認められる

 自家用車を使ってるんなら、別に支出はないじゃない、と思われるかもしれませんが、いえいえ、そんなことはありません。
 ガソリン代がかかっているので、支出はあります。
 ものの本によると、通院交通費は実費全額と記載されていることが多いのですが、通院に使ったガソリンをお金に換算することは非常に困難です。
 そのため、実務上は、1kmあたり15円とされる傾向にあります。
 もちろん、往復で換算されます。

 また、駐車場代を要した場合は駐車場代が(神戸地判平成7年8月2日・交通民集28巻4号1124ページ参照)、高速道路を使用した場合は高速代が認められる(東京地判平成7年8月29日・交通民集28巻4号1182ページ)ことがあります。
 ただし、いずれもそれが必要だった場合に認められます。病院の駐車場が空いてるのに、必要もなく有料駐車場を使用しても認められませんので注意してください。

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