相続財産の探し方を解説していきます。
故人がどのような財産を持っていたのか、正確に把握しているのは故人だけしょう(むしろ、自分でも、自分の財産として何がいくらくらいあるか、把握しきれていないことも稀ではありません)。
相続に当たっては、相続税の申告もしないといけませんので、相続財産を探さなければいけません。
今回は、土地や建物といった不動産の探し方について解説していきます。
資産税納税通知書
故人がどのような不動産を所有していたのか、探索するにあたって一番頼りになるのが、固定資産税の納税通知書です。
不動産の所有者は、固定資産税を課されます。
このような固定資産税の納税通知書が毎年役所から送られてくるのです。
納税通知書には、どこそこにある不動産の評価額がいくらで、税金がいくらになるか、ということが記載されてます。
納税通知書の記載をもとに、法務局に行って、登記事項証明書を取得するというのが一般的な流れでしょう。
固定資産税納税通知書がない場合
納税通知書は毎年送られてきますが、故人がこれをきちんと保管しているとは限りません。
処分してしまっている場合もあるでしょう。そういった場合には、もう1つの方法があります。
それが、「名寄帳」の取寄せです(「土地家屋課税台帳」とか「固定資産課税台帳」とも)。
名寄帳は、市区町村の固定資産税課でもらえます(東京23区内だと、都税事務所)。名寄帳には、その人がどこに、どのくらいの不動産を持っていて、評価額がいくらかということが書かれていますので、参考になります。
なお、名寄帳は原則として本人しか交付してもらえません。
相続人が名寄帳を入手するには、戸籍謄本などの書類が必要になるでしょうから、役所に行く前に、あらかじめ、どのような書類が必要かたずねておくと良いでしょう。
名寄帳の欠点
名寄帳の欠点は、名寄帳を管理している市区町村の不動産に関する事項しかのっていないことです。
他の市区町村の不動産についてはのっていませんので、複数の不動産を様々な市区町村で所有している可能性がある人だと、あまり有効とはいえないでしょう。
この場合には、やはり固定資産税の納税通知書を手掛かりにせざるを得ないでしょう。
登記事項証明書もちゃんと取得しよう
固定資産税納税通知書や名寄帳で不動産の所在を確認したら、法務局で、その不動産の登記事項証明書を取り寄せると良いでしょう。
納税通知書などは、あくまでも税金の管理のためになされているものです。
権利の詳細は記載されていません。
そのため、たとえば、その不動産が共有財産である、抵当権がついている、といった情報は、登記事項証明書を取得しないとわからないので、非常に重要な書類となります。
登記と実態は一致しないことがままある
ただ、登記を見る際には、登記と実際の権利関係は必ずしも一致しない、ということに注意されてください。
「山林」などとされているのに、実際には「宅地」だったり、登記されている土地面積と実際に所有している土地面積がずれているなんてことは、よくあることです。
登記事項証明書は、「こういった権利があります」という証明書ではなく、単に「こういった登記がされています」という証明書に過ぎませんので、注意してください。
そのため、故人の不動産を正確に把握しようと思えば、現場に行ってみるなど、さらなる調査が必要になってきます。
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