相続財産の探し方の解説。
今回は、株式の探し方について解説していきます。
株券は原則廃止されていることに注意!
株式を探す際のポイントですが、『株券』を主に探そうとしてはいけません。
昔は、株式を発行したら、原則として株券を発行しなければいけませんでした。
でも、現在は株券は不発行が原則とされていますので、『株式は持っているけど、株券は持っていない』という状態が一般的になっています。
そのため、株券を持っていない→株式も持っていない、という判断は間違いです。
そこで、株式を探される際は、株券をメインに探されるのでなく、以下に紹介するようなその他の書類から株式を探索されると良いでしょう。
(もちろん、株券を持っていれば、その会社の株式を持っているということが推測されますので有力な資料の一つになります。ただ、株券をメインで探してしまうと、「他のごちゃごちゃした書類はあるけど、株券じゃないから見なくてもいいや」となって、見落としが生じる可能性があるので注意が必要なのです)
故人の保管していた書類等から探そう
故人の遺した書類等の中から、株式を見つけられる可能性があります。
上場会社の株式は、通常、証券会社を通じて管理しています。
そのため、証券会社の書類があれば、その会社で株式を管理している可能性がありますので注意が必要です(もっとも、株式以外の社債や国債等の可能性もあります)。
また、株式を持っている会社からは、年に何回か書類が送られてくることがあるでしょう。
株主総会の招集通知や配当の通知などが定期的に送られてくる可能性があります。
そのため、死後1年間程度は、故人宛てに来る手紙(企業が送ってくるもの)等に注意されると良いでしょう。
このほか、確定申告書に株式の配当が記載されている可能性もあるので、故人が確定申告をされていた場合には手掛かりになるでしょう(もっとも、最近は源泉徴収がされる、特定口座というものも存在します。そのため、配当益が0円となっていも、株式を保有している可能性はあるので、注意が必要です)。
パソコンからの調査
最近は、証券会社もインターネットを通じた口座管理のサービスを提供しています。
そこで、故人のパソコンのブックマークや閲覧履歴から、証券会社のホームページがないか調査するのも方法です。
証券会社をお気に入りに登録しているにも関わらず、一切口座を保有していない、というのは稀でしょうから、お気に入り登録は重要な手掛かりになります。
預金通帳からの発見
預貯金の通帳は情報の宝庫です。
株式の配当が振り込まれることもありますし、証券会社あてに入出金をしている履歴が見つかるかもしれません。
そこで、故人の通帳については記帳をし、過去10年程度の履歴をチェックされると良いでしょう(ちなみに、省略されてしまった記帳やもう通帳がない分については、通常、金融機関の窓口で開示の手続きができるはずです(もっとも、手数料をとられてしまいますので、通帳があるに越したことはないです))。
以上が株式の発見方法の解説です。
もちろん、ここに記載した方法がすべてではないですから、故人の生前の行動を思い出し、想像力を働かせて探索されてみてはいかがでしょうか。
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