弁護士ブログ

弁護士になった後の勉強方法について考える

 晴れて司法試験に合格し、弁護士になっても、勉強は終わりではありません。
 日々、法令は改正され、重要判例も次々に出されます。
 それらに対応しきれなくては、顧客に最高のリーガルサービスを提供することはできません。
 弁護士になった後こそ、勉強が重要なのです。

 ただ、弁護士は、受験生とは違い試験に必要な知識だけを仕入れておけばよいというものではありません。
 実務に必要な全ての知識が必要です。

 ただ、困ったことに、このような実務知識はあまり書籍にはのっていません(最近発売された、圓道至剛先生の『若手弁護士のための民事裁判実務の留意点』新日本法規は、こういった若手弁護士のニーズに応える内容で、非常に良い内容でした)。
 では、どうやって実務知識を得るか。その方法について考えていきます。

過去の事件記録

 過去の事件記録は、たとえそれが敗訴であろうと勝訴であろうと、非常に有用です。
 事件のはじまりから終わりまでの全てが記録してあるので、これがあるだけで、次に何をすべきかがはっきりわかるでしょう。
 ただ、この方法は、所属する事務所が、過去に類似の事件を扱ったことがなければ使えません。最近は、どこかの事務所で雇われることのないまま独立する、即独弁護士も多いですが、即独した場合も、当然、つかえません。

実務書を読む

 実務に関してくわしく書いた実務書は少ないです。
 少ないといえどないわけではありません。
 たとえば、倒産分野では実務の運用が非常に重要ですが、東京地裁破産再生実務研究会『破産・民事再生の実務』は、裁判官が実務上の運用をふまえて執筆している良書です(最近は、東京地裁破産実務研究会『破産管財の手引』なども出ています。どうせ、管財人はまわってこないから、管財人向けの本なんていいや、なんて思ってはいけません。申立人も必ず抑えておくべき知識が多数記述されています)。
 めんどくさがらずに、こういった実務書はきちんと読むべきでしょう。

勉強会に参加する

 弁護士会や派閥の有志による勉強会は多数開かれています。
 こういった勉強会では、まさに実務でぶち当たる問題が議論されています。
 他の弁護士の見解を知るうえでも非常に有用です。お誘いがあればぜひ一度足を運んでみましょう。
 ちなみに、私は、青森県弁護士会の有志で行われる破産管財人経験交流会には、毎回、欠かさず出席しています。

講座・e-learningを活用する

 弁護士会館の2階のクレオでは、様々な講座・講演が行われています。
 こういった講座は、主に弁護士に向けられたものですので、勉強会と同じで、実務に即した内容となっています(人によって差はありますが)。
 最近では、インターネットを通じて過去の講座を受講するe-learningも可能になっているので、地方在住の会員でも利用しやすくなっています。

 弁護士の勉強というと、こんなところでしょうか。
 あとは、実際に事件を受任し終件にまで導くことによって勉強していくものでしょう(on the job trainingというやつですね)。
 このほか、言うまでもありませんが、最新の判例・法改正を追うことも重要ですね。
 弁護士になり、依頼を受けるようになった後こそ、依頼者に最高のリーガルサービスを提供するためにも、勉強は欠かせませんね。

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