交通事故の被害者が通院する際、症状によっては一人で通院することが困難な場合があります。
そうすると、家族や近親者などに付き添ってもらって通院することになるでしょう。
こういった、付き添ってもらわざるを得なかった損害を、通院付添費といいます。
通院に付添いが必要な場合のみ認められる
単に付き添っただけでは通院付添費は認められません。
通院をするためには、誰かの付添いが必要だったという場合のみ認められるものです。
なお、ここでいう必要か必要でないかというのは、被害者やその家族が必要と考えたかどうかという主観的な判断ではありません。
あくまでも、客観的に判断されます(具体的には、裁判官が必要か否かをジャッジします)。
付添いの必要が認められる場合
(1)年齢
被害者が幼児等の場合には、一人で通院するのは難しいでしょう。
ですので、被害者の年齢というのは大きな要素となります。
たとえば、裁判例(東京地判平成8年12月10日・交通民集29巻6号1780ページ)は、4歳の子どもが通院する際、母親が仕事を休んで付き添った事案です。この事案では、通院付添費が1日1万円で認められました。
(2)症状
被害者が幼児でなくても、症状によっては誰かの付き添いが必要といえます。
たとえば、被害者が歩行困難となったとなった事例(神戸地判平成12年7月6日・交通民集33巻4号1155ページ)では、裁判所は、日額4000円の通院付添費を認めています。
歩行が困難な場合には、誰かが付き添わないとそもそも通院が困難ですから、認められる傾向にあるでしょう。
また、歩行が可能な場合でも、突然重大な発作が起こる可能性が高いなど、誰かが付き添う必要があると客観的に認められる場合に認められる可能性があるでしょう。
いくらもらえるのか
入院付添費は1日6500円程度と紹介しましたが、通院付添費は1日3300円程度です。
入院付添は、付き添って看護をしているので金額も高くなりやすいのに対し、通院付添費はあくまでも通院している最中だけ付き添っているので、入院付添費よりも少額となります。
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