2013年8月25日~8月31日分の気になったニュースのまとめです。
・「菊池事件」再審を訴え 岡山弁護士会が講演会(山陽新聞)
「非公開の特別法廷が設けられ、証拠品を菜箸で扱ったり、罪状認否では男性が否認しているにもかかわらず弁護人が何も主張しないなど、差別的な対応が問題視されている。」
被疑者・被告人の味方になってあげないといけない弁護人まで……。
現代では到底考えられないですが(と、書いたものの、最近の弁護士の不祥事の数々を見ると、そこまで言い切れないところが悲しいです)、社会の全てが敵に回っていても、弁護人だけは被告人の味方であらねばなりません。
・いじめ相談で弁護士が初の全国ネットワーク 11月発足へ(日本経済新聞)
・就職難で公認会計士受験者が激減 金融庁の誤算…人材の質低下を懸念(Sankei Biz)
弁護士もの就職難も深刻ですが、公認会計士の就職難もかなり深刻ですね。
司法試験に合格さえすれば、ほぼ自動的に修習生になれ、修習さえ終えれば、就職先がなくとも、弁護士として事務所を構えることが出来ます。
これに対して、公認会計士は、2年間の実務経験がないと、自分で事務所を開くことさえ出来ないので、就職できないときの問題はいっそう深刻ですね。
ただ、公認会計士は、合格者数を減らして調整することが比較的容易なのに対し、弁護士は、ロースクールがある以上、そう簡単に合格者数を減らして調整なんてできませんからね。
問題としては、やはり、弁護士業界のほうが深刻な気がします(私が弁護士であるため、そう感じるだけかもしれませんが)。
・服役中に手紙で弁護士脅した疑い 元組員を逮捕 大阪(朝日新聞)
11回も提訴された上、6000万円相当の店舗付住宅を要求されたんですか。
これは、大変ですね。
・インド、「会社法」57年ぶり改正 企業の信頼度向上・活性化(Sankei Biz)
海外進出するにあたって、その国の法律は非常に重要ですからね(何回かこれ書いた気がしますが)。
・イタリア移民:子の国籍は? 法改正 黒人閣僚と右翼対立(毎日jp)
高橋和之先生の講義を思い出しました。
高橋先生は、血統主義よりも出生地主義のほうを支持されていましたが、その論理の組立方が非常に説得的で感動した覚えがあります。
・中国、1万人当りの弁護士数は1.6人(CRL online)
・地検起訴取り消し 仙台地裁が公訴を棄却 わいせつ致傷事件(河北新報社)
『関係者によると、起訴後、現場で採取された被告の掌紋の証拠能力に疑いがあることが判明。掌紋は検察側の有罪立証の有力な証拠とされており、弁護側は「起訴の取り消しに決定的に影響した」と主張している。』
・人権派弁護士は食えるのか? 経営センスで雲泥の差 “マチ弁”の金持ち度(東洋経済ONLINE)
人権派でも、大企業の顧問弁護士やられてたり、裁判所からの信頼が厚く、大規模な管財事件をまわしてもらってる先生もいますよ。
ただ、この連載、自分では知らない弁護士業界の実情が書かれていたりして興味深いです。
【関連】
・弁護士業界の最強集団”ブル弁”の生態とは? ヴェールに包まれたその“稼ぎ”は?
・2年目で肩叩き?エリート弁護士の出世競争 4大事務所は9時ー5時(もちろんAM)勤務が当然
・金の流れ未解明 落胆…元弁護士横領実刑判決(読売新聞)
懲役14年の実刑判決。
かなり重い判決となりました。
ただ、約9億円という被害金額や、依頼者の弁護士に対する信頼を裏切ったということをを考えると妥当なのかもしれません。
・弁護士、弁理士はこれから食えますか? 【キャリア相談 Vol.18】(東洋経済ONLINE)
弁護士に営業力が必要という点は、まさしくその通りでしょうね。
事務所を開いているだけでお客さんが来るような時代は終わりましたし。
ただ、『インハウスの絶対的な強み』として、会社の立場にたって考えられる、という点をあげてますが、これは、インハウスしかできないか、というとちょっと疑問ですね。
記事にあるように、法律相談を受けたら、リスクをずらーっと並べて後は知らん、という先生はたしかにいらっしゃいます。
大事務所でも、「お客様、この問題には、Aというリスク、Bというリスク、Cというリスク……があります。さぁ、食べるかどうかはお客様次第です」といった具合にとりあえず、問題ばっかり並べるだけのところもあります(こういった仕事で、とんでもないフィーを要求される先生もいますけど、まぁ、こういった仕事は仕事で、人と手間がかかるのでしょうがないんでしょうな)。
でも、私は、顧問弁護士とは、経営のより良い相談役でありたい、と考えているので、相談されたことに対しては、一般論で逃げ回るのでなく、自分の見解(当然、スタンスとしては現在、そして将来、その会社のためになるか、です)もお伝えすることもあります。
また、契約書のチェックでは、こういった点を修正すると良い、として、リスクを抑えるようなアドバイスもできます。
立場関係から、契約書の修正ができない事案では、あらかじめ考えられるリスクをお伝えすることによって、リスクに備えさせることもできます。
何より、顧問弁護士は、その会社の従業員ではないからこそ、社長や上司の顔色をうかがうことなく、第三者の立場で冷静なアドバイスができるという利点があるでしょうね。
・懲戒処分:事件処理怠った弁護士を−−県弁護士会 /香川(毎日jp)
・「見切り販売」裁判 セブン-イレブン・ジャパンに賠償命令(FNN)
・検察事務官が殺人事件の証拠放置 東京地検、弁護側に謝罪(msn 産経ニュース)
・時効気付かず有罪判決 ウナギ稚魚密輸事件で東京高裁(msn 産経ニュース)
・東日本大震災 東電損害賠償/時効の延長で被害者救済を(河北新報)
・民法、120年ぶり大改正へ=消費者保護に力点、財界から懸念も(時事ドットコム)
会社法制定の時を思い出しますね。
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