破産をする際に見逃しがちな財産の解説第4回。
今回は、預貯金について解説していきます。
いやいや、預貯金は忘れないでしょという方もいますが、意外と忘れていらっしゃる方も多いです。
使ってない預金通帳も提出する必要あり
破産をする際には、通常、預金通帳のコピーを裁判所に提出しなければいけません(東京地裁だと直近2年分)。
現在、使っていない預金通帳も出す必要があります。
預金通帳をなくしてしまったような場合には、取引明細を出してもらう必要があります。
他に預金通帳があるかなんてわかるの?
全部出せって言っても、全部だしたかなんかわからないだろ、と思われるかもしれません。
いえいえ、通帳の記載を見れば、意外とわかるもんです。
弁護士や裁判所は以下のような点から他に預金通帳がないか判断することがあります。
・通帳に給与の振込みが記帳されているか
(記帳されていなければ、ほかに預金通帳がある可能性あり。もちろん、手渡しであればありませんが)
・電気ガス水道代などの生活費の引落しが記帳されているか
(記帳されていなければ、ほかに預金通帳がある可能性あり。もちろん、引落し以外の方法で支払っていれば記帳されていないのは当然です)
・自分名義の他通帳への振込みがある場合、整合性がとれているか
(私はこれで発見することがけっこうあります。自分の通帳間で預金を移動させている方が時折いらっしゃいます。そういった場合には入出金の整合性を全てチェックします)
定期預金、忘れていませんか?
このほか、むかーしかけた定期預金があればそれもちゃんと申告する必要があります。
ちゃんと申告すれば自由財産として手元に残せる可能性がありますが、破産申立時に申告せずに、破産管財人が発見したような場合には維持できない可能性が高いです。
親が子ども名義でかけている預金はありませんか?
自己破産をする際に見逃しがちな財産3~親が支払っている保険~でも解説しましたが、親が子ども名義でかけている保険は、子どもの財産となります。
なぜなら、たとえ契約者が子どもになっていても、単に親が子どもに贈与をしているだけ(いわば保険をプレゼントしている)とみるのが合理的だからです。
これは、預貯金にもあてはまります。
親が子どものために、子ども名義の預貯金を持っていることがありますが、これは子どもにあげる意思で預金していると見るのが合理的でしょう。
そのため、親が子ども名義でかけている預貯金も原則としてとられてしまうので注意が必要です。
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