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破産をしてしまうと、資格制限がある人の債務整理の方法について考える(破産を選択肢から外すべきか)

 警備員生命保険の募集人は、破産をすることによって、資格を失うおそれがあります。
 すると、資格を前提として勤務している場合には、会社をやめなくてはいけなくなることがあります。
 そこで、警備員や生命保険の募集人をされている方は、破産以外の債務整理の方法をとられる方が多いです。

ちょっと待って。本当に破産を選択肢から外すの?

 生命保険の募集人や警備員のような制限職種に就いている方々は、初めから、破産だけはしない、と決められている方が多いです。
 たしかに、職を失う恐怖は非常に大きなものです。
 その心中は察するに余りあります。

破産以外の方法はとれるのか

 しかしながら、破産を初めから選択肢から外す、というのはいささか疑問があります。
 後述する、任意整理や個人再生は、破産と違って借金の全部又は一部を返済していく手続です。
 返済するだけの資力がなければ、そもそも、取りえない方法です。

その仕事、続けていくべきなの?

 また、生命保険の募集人をされている方に多いのですが、ノルマのために自爆営業をし、それが元で借金を積み重ねていったり(いうなれば、仕事が原因で借金を背負っている)、まったく成果があがらず、コンンビニのアルバイト以下の収入しか得られていない方もいらっしゃいます。
 こういう方は、本当に、仕事を続けていくことが最重要視すべき選択なのか、慎重に考慮すべきです(転職してしまったほうが良いのではないか)。

任意整理も個人再生も破産もできないと……

 さらに、仕事を失うから破産はできない、かといって、任意整理や個人再生もとれない、となってくると、もうとれる手段はなくなってきます(親族等の第三者から援助を受けたり、不動産担保ローンを用いて借金を一本化できるのであれば、話は別ですが)。
 任意整理も、個人再生も、破産すらできないという方は、このままずるずると借りては返しての生活を繰り返さざるを得なくなるのが一般的です。
 借りては返してを繰り返すと、破綻はすぐに来ます。
 今は総量規制がありますので、消費者金融を含めて、金融機関は一定額以上のお金は貸してくれなくなります。

 こうなった場合にとれる手段は2つでしょう。

 1つは、ヤミ金に手を出す方法。これは、最悪の方法です。事態を悪化させるだけです。
 ヤミ金はよく、「緊急連絡先として勤務先や家族の勤務先なども教えてください」と言ってきますが、これはただの罠です。
 ヤミ金から借りたお金を返さないと(というよりヤミ金はそもそも恐喝をしているだけでお金を返すという概念がないところも多いですが)、自身の勤務先や家族の勤務先などに嵐のような嫌がらせをされます(たとえば、毎日電話をかけてきて、「金返せ」などと言ってきます)。
 こうなってしまっては、方々に迷惑をかけた末に仕事をやめなくてはいけなくなるでしょう(場合によっては家族も仕事をやめないといけなくなるでしょう)。

 2つ目は、払えないので放っておく方法です。
 これをやると、後は、訴訟を起こされて給与差押えなどの強制執行を受けることになるでしょう。
 ヤミ金から借りるのと比べればマシですが、給与差押えを受けた方は、会社にかかる迷惑を考え、結局、仕事を辞めてしまう方が多いです。

 いずれの方法をとったとしても、最後は、仕事をやめて、破産をするという選択に至る方が多いように思われます。
 精神的に追い詰められた末に、精神を病んでしまう方もいらっしゃいます。
 そうなる前に、破産を検討すべきです。

 警備員のように、制限職種にある方は、仕事の継続を希望されるのであれば、もちろん、任意整理や個人再生といった、仕事に影響がない方法を検討すべきです。
 しかしながら、はじめから破産を選択肢を外してしまうのも良くありません。
 一人で悩む前に、弁護士などの専門家に相談し、自分に最も適している債務整理の方法は何なのかを、あらゆる選択肢の中から検討すべきです。

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