前回、破産をする場合のデメリットとして、資格制限が生じることを説明しました。
今回は、そのうち会社の取締役の資格制限について解説していきます。
取締役が破産をすると、資格を失う
会社の取締役が破産をすると、取締役の資格を失ってしまいます。
細かい理由は、以下のとおりとなります。
まず、会社法330条では、『株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う』とされています。
委任に関する規定は、民法にありますが、民法に目を通すと、
民法653条には、破産手手続の開始決定を受けることにより委任が終了する、と規定されています。
したがって、破産をすると、法律によって強制的に取締役としての地位をとりあげられてしまうことになるのです。
破産者は取締役になれないわけではない
ただ、ここで注意が必要なのは、取締役の資格を失うのは、あくまで委任関係が終了するからです。
会社法の規定によって、破産者が取締役に就任することを制限されているわけではありません。
つまりは、破産をして復権していない状態の人でも、取締役には問題なく就任できるのです。
破産手続開始決定後、直ちに取締役に選任されることが可能
資格制限の影響を最小限に抑えようとすれば、破産手続開始決定がでた後、ただちに株主総会で取締役に選任してもらえばよいのです。
たとえば、会社が民事再生をして、保証人である取締役が破産をするような場合には、こういった方法を有効に使えますね。
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