まずはじめに、これを書こうかどうかと非常に迷いました。
幸運にも合格できた自分がこういった事を書いても良いのかどうか、浪人生活を経験したことがない自分に有用なアドバイスができるのか、迷った挙句、評価は読んだ人の判断にゆだねることにして公開することにしました。
読まれる際は、これは、不合格経験もない人間のアドバイスであり、役に立つかはわからない、ということを頭にいれておいてください。
まずはゆっくり休んでください
来年の試験に向けた戦いはもう始まってるんだぞ、今勉強するかどうかで来年合格できるか決まるんだぞ、とすぐにでも勉強するようアドバイスする先輩方が多いでしょう。
そのアドバイスはおそらく正しいのでしょう。
でも、今週いっぱいくらい休んでも良いんじゃないでしょうか。
色々と考えることもあるでしょうし、疲れもあるでしょう。
いったん司法試験のことは忘れて、ゆっくり休んで、それから考える余裕も必要なのではないでしょうか。
これからどうするかを考えてください
来年の司法試験を目指して勉強を再開する、というのも一つの選択です。
ただ、弁護士をとりまく環境は年々悪化しています。
昔のように、資格さえあれば人生安泰という時代は終わりました。
就職戦争が終わったら次は事務所内での生き残り競争、独立した後は、供給過剰の市場での熾烈な競争が待ち受けています。
また、残酷なことを言いますが、来年必ず合格できるとは限りません。
別の道を目指す、というのも勇気ある、そして賢い選択の一つと言えます。
司法試験以外の道
おすすめは公務員です。
私の友人たちは、ほとんどが公務員になっています。
裁判所職員、県庁、市役所など、公務員試験は皆さんにとって有利な戦場となる可能性が高いでしょう。
理由の一つはペーパーテストの存在です。
民間企業はペーパーテストがなかったり、あったとしても、一般教養程度のものでしょう。ここでは、皆さんが今まで培ってきた知識と経験を活かすことはなかなか難しいでしょう。
これに対して、公務員試験では、司法試験の受験経験で得た知識や勉強に対する姿勢を活かしやすいでしょう。
周りの公務員試験の受験生なんて、皆さんと比べれば、まったく勉強していないに等しい存在です。
司法試験受験で得た経験を活かし、けちらしてやりましょう。
法律事務所の事務員になる、という選択をする際は、すぐに飛びつかないほうが良いでしょう。
先輩たちの中には、行くところがなければ、うちで事務員をやらないか? と誘ってくれる方もいるでしょう。
そういった方々はほとんど善意で誘ってくれています。悪意はみじんもないでしょう。
そのようなお誘いに対して、失礼ではあるのですが、飛びつく前に、待遇もきちんと検討したほうが良いでしょう。
事務員の待遇は事務所ごとにまったく違います。
事務員には単純な事務作業しかやらせないという先生もいますし、各事件の補助など、事件にかなり携わらせてくれる先生もいます。
当然、報酬も事務所ごとに変わってくるでしょう。
考えなしに、とりあえず話に飛びつくのではなく、いったん冷静に考えてみることも重要です。
再度、司法試験を目指す道
後日、司法試験の科目ごとの成績が送られてくるはずなので、それを見て、自分には何が足りなかったのか分析しましょう。
分析し、弱点を補強し、長所をさらに伸ばすことが肝要です。
私が見ている限り、残念ながら不合格になってしまった人は、知識が不足している方が多いように思われます。
あまり無責任なことを言うのもなんですが(私がインプット偏重の勉強をしてきたせいもあるかもしれません)、論文は水物です。
どういった問題が出題されるかによって、点数も大きく変わってくるでしょう。
知識がモノをいう択一で他の受験生を大きく引き離すというのも戦略の一つです。
ただ、不合格になったことで落ち込みすぎて、あまり自己否定をしすぎるのはやめたほうが良いでしょう。
先輩方は色々なアドバイスをしてくれるでしょうが、それは、その先輩だからこそ通用した方法なのかもしれません。
アドバイスを頭から全て受け入れることなく、批判的に検討することも必要です(当然、私のアドバイスも批判的に検討したほうが良いでしょう)。
私ができるアドバイスはこの程度です。
どのような道を選択されるにしても、今までの皆さんの努力が、非常に崇高なものであることには変わりありません。私はそれを賞賛します。
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