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株式を相続したら、単元未満株がないか注意しよう

 以前、株式の探し方に関して解説しましたが、相続財産に株式がある場合は、端株(はかぶ)もしくは単元未満株の存在に注意しましょう。
 単元未満株は見逃しやすい財産です。

単元未満株ってなに?

 株式会社は、株式を発行します。
 株主は、持っている株式の数に応じて議決権などの権利を行使できますが、会社が大きくなっていくにつれ株式はどんどん細分化されていくのが一般的です(その会社の株式を入手しやすいようにして、資金調達を容易にするため)。
 でも、あまりに細かすぎると問題です。たとえば、合計で1000万株を発行している企業の株を持っている人が100万人いるとします。そうすると、株主総会の招集通知なんかは100万人全員に送らなければいけなくなるのが原則です。でも、これだと株式の管理の手間がすさまじいことになってしまいます。
 そこで、一定数未満の株式しか有していない人の権利を制限するのが単元株という制度です。

単元未満株でも配当は受けられる

 そうすると、たとえば故人が3500株を持っていたとします。
 単元数が1000株だとすると、株主総会での議決権は3000株分(3口分)しか有しません。
 そうすると、たとえば、故人宛ての株主総会の招集通知を見た相続人が、「故人は、3口分の株式を有していたんだから、持ってた株は3000株だな」と勘違いしてしまうことが生じることがあります。

 単元未満株の場合に、権利行使が制限されるような権利をもとに、故人が有していた株式数を推測するのは危険です。
 そこで、単元未満株でも制限されていないような権利をもとに、推測をたてるのが良いでしょう。
 それが、『配当』です。

 配当の通知書には、株式数が記載されていることが一般的です。
 また、たとえば預金通帳に配当が入金されていれば、配当総額を、1株当たりの配当金額で割れば、何株持っているのか推測できます(ただし、配当についても源泉徴収されている可能性に注意)。
 
不安だったら、株主名簿管理人に問合せを

 故人が単元未満株を持っていたかもしれないけど、いったい何株持っているのかわからない、という場合は、株主名簿の管理人に照会をすると良いでしょう。
 株主名簿管理人は、会社ごとにそれぞれ定めることができますが、上場会社であれば、会社四季報などに記載されているでしょうから、気になった方はご覧になってみてください。

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