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評価損を認めた判例の紹介(初度登録から3年以上経過した自動車)~交通事故の被害者のために~

 初度登録から3年以上が経過すると、評価損は認められにくくなりますが、それでも希望がないわけではありません。
 3年以上経過していても、評価損を認めた判例はあります。ここではその一部を紹介していきます。

初度登録から3年以上経過しているが評価損を認めた判例

・初度登録から約4年6月が経過したベンツ。修理費の2割が評価損として認められた(東京地判平成6年9月13日・交通民集27巻5号1220ページ)

・初度登録から3年4ヶ月が経過したポルシェ(新車価格1165万円)。損傷の大きさ(修理費用333万3893円)や市場性から修理費の40%が評価損として認められた(岡山地裁津山支部判平成7年4月25日・交通民集28巻2号671ページ)

・製造から約28年が経過したフォード・マスタング・コンバーチブル。修理費の10%の評価損が認められた(東京地判平成8年7月2日・交通民集29巻4号976ページ)

・初度登録から4年半が経過したベンツ(CL600)。修理費の約3割の評価損が認められた(京都地判平成18年9月22日・自動車保険ジャーナル1678号12ページ)

・生産から10年以上経過したランボルギーニ・ディアブロSE30。希少性や転売価値が高いことを考慮され、修理費の約30%の評価損が認められた(大阪地判平成19年12月20日・交通民集40巻6号1694ページ)

・初度登録から約3年半が経過したトヨタ・アルファードG(MS)。時価が高額であることや事故よって基本的構造部分にまで損傷が及んだこと、修理費が高額であったことを考慮され、修理費の約1割の評価損が認められた(名古屋地判平成22年7月9日・交通民集43巻4号848ページ)

 こうやって判例をみると、やはり、3年以上経過しても評価損が認められた事例は外車が多いですね。
 さて、次回は、国産車の評価損を認めた判例を紹介し、評価損の解説は終わりとなります。
 もうしばらくお付き合いください。

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