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将来の介護費用は支払ってもらえるか~交通事故の被害者のために~

 交通事故により、重篤な後遺症(後遺障害)が残ってしまうことがあります。
 場合によっては、一生介護が必要な後遺症となる場合があります。
 このような場合に、示談後の介護費用は支払ってもらえるのでしょうか。
 以前、入院付添費通院付添費について説明しましたが、これは示談前のものです。今回は、示談をした後にも介護が必要なケースの解説です。

将来の介護費用が認められる場合

 医師の指示や症状の程度により、必要性が認められる場合に賠償してもらえます。
 実際には、後遺障害の遷延性意識障害(植物人間状態)や脊髄損傷、重度の高次脳機能障害によって後遺障害等級が1級または2級が認定された場合に支払ってもらえることが多いです。
 もちろん3級以下であれば認められないというわけではありません。
 日常生活を送るには、介護が必要ということが立証できる場合であれば、認められます(そういった場合には医師の協力が必要でしょう)。

将来介護費っていくら?

 将来の介護代金は誰が介護を担当するかによって金額もわかれてきます。

Point近親者が介護する場合は1日8000円

 親、兄弟姉妹、子どもや親戚といった近親者が介護をする場合には、1日あたり8000円が介護費用として認められるケースが多いです。
 もっとも、後遺症の程度に応じて必要な介護も変わってきますので、必要な介護の程度に応じて、金額も増減されます。

Point介護士などの費用が認められる場合もある

 こういった近親者による介護が不可能な場合もあります。
 近親者による介護が不可能な場合には、介護士などの職業介護人の費用がみとめられます。
 また、たとえば、子どもが交通事故の被害にあった場合には、親が介護をするケースが多いでしょう。
 しかしながら、親は子どもよりも年齢が上です。
 若いうちは介護ができても、いつまでも介護ができるわけではありません。
 ですので、近親者による介護が可能な場合でも、介護をする近親者の年齢が67歳に達した後は、介護士などの職業介護人の費用が認められるケースが多いです。

Point職業介護人の費用は1日1万2000円~2万円程度

 こういった介護士などの職業介護人の費用は、1日1万2000円~2万円程度で認められる裁判例が多いです。

 さて、今回はこの程度にしておいて、次回は、将来介護費がいつまで支払ってもらえるのか、また、支払方法(一括か一生か)についても解説していきます。

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