破産のデメリットの解説。第10回の今回は、家族に話す必要がある可能性について解説していきます。
郵便物転送でバレてしまう可能性がある
破産のデメリット6~郵便物が転送されてしまう~で解説したように、破産をして、かつ、破産管財人が選任された場合には、破産者宛ての郵便物は破産管財人に転送されてしまいます。
そして、郵便物を見た破産管財人は、破産者に郵便物を返却しますが、この際、郵送で返却することがあります。
そうすると、「破産管財人からの郵便物のため、転送不要」などと書かれ、この郵便物を見てしまった家族に、破産をしたことがバレる可能性があります。
ただし、同時廃止になれば、そもそも郵便物は転送されません。
したがって、案件の見極めが重要といえます。
官報公告でバレる可能性はゼロではない
破産をすると、官報という国が発行している新聞のようなものに、住所と氏名がのります。
そうすると、ある人が破産をしたかどうかは、調べようと思えば簡単に調べることができてしまいます。
ただ、そもそも、家族が破産をしたかどうかなんて、定期的に、もしくは、お金を払ってまで調べようという人はそうそういないでしょう。
このほか、官報を見るのが趣味のご家族がいれば、偶然発見されてしまうかもしれませんが、そういった趣味を持っている人はごく少数でしょう。
そのため、官報公告で破産をしたことが家族にバレる可能性は、ゼロとまでは言えませんが、かなり低いでしょう。
裁判所によっては同居の家族の資料を求められる
上記のようなデメリットは、案件の見極め等でリスクを最小限に抑えることができます。
しかしながら、家族にバレる(というより話さなくてはいけない)原因として、一番多いのは、裁判所の要求によってです。
破産をする際には、様々な資料をつけて、裁判所に申し立てなければいけません。
そして、裁判所が要求する資料というのは、全国一律ではありません。
たとえば、東京地裁では、一般的に、同居の家族の収入資料をつけることは求められていないようです(もっとも、案件の内容によっては、例外的に提出するよう求められることもありますが)。
これに対し、仙台地裁では、同居の親族がいれば、その収入に関する資料(給与明細や源泉徴収票)を添付するよう求められているようです。
そうすると、破産をするために、どうしても家族に話さなければいけない、という事態が生じる可能性があります。
まとめ
このように、案件の内容や裁判所によっては、家族に破産することを話さなければいけない可能性があります。
まずは、お近くの弁護士に相談すると良いでしょう。
コメントはこちら