評価損の解説のラストです。
今回は、国産車の評価損を認めた判例を紹介していきます。
評価損に関する判例は、外車に関するものが多いです。
もちろん、外車のほうが評価損が認められやすい傾向にはありますが、国産車だから評価損が認められない、というわけではありません。
以下では、どういった国産車について、いくらの評価損が認められたのかを紹介していきますので、自分のケースと比較しながら検討されると良いでしょう。
国産車の評価損を認めた判例
・クラウン・ロイヤルサルーン(トヨタ・初度登録から2年10月が経過)について、修理費の37.5%の評価損が認められた事例(神戸地判平成3年3月26日・交通民集24巻2号406ページ)
・レジェンド(ホンダ・初度登録から6月が経過)について、裁判所が認定した修理費の43.5%の評価損を認めた事例(岡山地判平成4年2月17日・交通民集25巻1号185ページ)
・ブルーバード(日産・初度登録から3月が経過)について、修理費の10%が評価損として認められた事例(神戸地判平成5年11月24日・交通民集26巻6号1447ページ)
・ルーチェ(マツダ・初度登録から1年5月が経過)について、修理費の20%の評価損が認められた事例(東京地判平成7年5月25日・交通民集28巻3号836ページ)
・クラウン・マジェスタ(トヨタ・初度登録から1月半が経過)について、「修理未了の部分」が存在する可能性があるとして、修理費の55.9%の評価損を認めた事例(東京地判平成8年9月27日・判例時報1601号149ページ)
・セルシオ(トヨタ・初度登録から2年9月が経過)について、修理費の20%を評価損として認めた事例(東京地判平成10年10月14日・交通民集31巻5号1523ページ)
・オデッセイ(ホンダ)について、修理費の20%の評価損を認めた事例(東京地判平成10年12月9日・交通民集31巻6号1880ページ)
・GTO(三菱・初度登録から2年が経過)について、修理費の30%の評価損を認めた事例(東京地判平成13年1月25日・交通民集34巻1号56ページ)
・ステップワゴン(ホンダ・初度登録から2年10月が経過)について、修理見積額の20%に相当する評価損を認めた事例(岡山地判平成18年1月19日・交通民集39巻1号40ページ)
・アルファードG・MS(トヨタ・初度登録から3年6月が経過)について、修理費の約10%の評価損を認めた事例(名古屋地判平成22年7月29日・交通民集43巻4号848ページ)
・GTRプレミアムエディション(日産・初度登録から3月が経過)について、修理費の50%に相当する評価損が認められた事例(東京地判平成23年11月25日・自動車保険ジャーナル1864号165ページ)
・レクサス(トヨタ・初度登録から2年4月が経過)について、修理費の32%に相当する評価損が認められた事例(大阪地判平成24年3月23日・自動車保険ジャーナル1878号134ページ)
判例のご紹介は以上となります。
評価損の解説もこれで終わりとなります。
次回からは、代車料などそのほかの物損に関して解説していきます。
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・評価損を認めた判例の紹介(修理費の30%以上の評価損を認めた判例)
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