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基本書の読み方~司法試験ゆっくり合格法4~

開かれた本

By: _FXR

 司法試験ゆっくり合格法の第4回です。
 今回は、前回紹介した教材を使用した、具体的な勉強方法について説明していきます。

Pointポイントの一つ目は、行間を読むということです。

 とはいっても、行と行の間には何も書いてありません。
 ただの空白です。
 どんなに目を凝らしても、火であぶっても、文字は浮かび上がりません。
 行間というのは、つまりは省略されている部分です。
 概説書は膨大な法律の議論をコンパクトにまとめています。
 一つ一つの論点には、論文になるくらいの議論の背景があります。
 概説書は、それをわずか数行にまとめていますので、当然ながら、犠牲になった膨大な背景があります。
 そのため、概説書は、理解が困難な箇所がいくつかでてきます。
 一読しただけでは理解が困難でも、他の部分を理解することによって、理解に至ることもあります。
 しかしながら、同じ内容の本を何度ながめても理解できないところは理解できないということもあります。
 そういった場合には、思い切って他の本を読んでみるのです。
 ある論点について、Aという学者のA´という見解だけをみるより、これに加え、Bという学者のB´という見解をみることにより、論点を多角的にみることができます。
 こういった視点を変えることにより、理解に至ることが容易になります。

 私は学生時代、瑕疵担保責任に関する議論が理解できませんでした。
 そこで、注釈民法(旧版)に手を伸ばし、そこにある100ページ以上の記述を読むことにより、理解に至りました。
 (本番で瑕疵担保責任が出たら不合格という状態から、瑕疵担保責任がメインで出てほしいと望むくらいになりました)

 こういったやり方は、「時間がかかりすぎる」「合格が遅れる」と批判されることはあるでしょうが、私のやり方は、司法試験ゆっくり合格法でも書いたように、最短での合格を目指すのではなく、ゆっくりと確実に合格することを目指すものなのです。

Pointポイントの2つ目は、常に考えながら読むということです。

 こういうと、考えながら読むのは当たり前と思われる方もいるでしょう。
 しかしながら、私の「考えて読む」というのは、常に疑問を抱くようにしながら読む、という方法です。
 読みながら、

「この論点からすると、こういう問題が生じるのではないか」

「この問題を出されたらどう書こうか」

と常に考え続けるのです。
 もちろん、このやりかただと、本を読むスピードも遅くなります。
 ただ、前述したように、ゆっくりと勉強することが私の合格法なのです。
 この勉強法により、私は、予備校の答練を受ける必要性を感じませんでした。
 常に問題を出されること、それに回答することを意識しながら読んでいたので、わざわざ、答案用紙に書く必要なんてない、むしろ、手を動かす時間は無駄な時間と考えていました。
 そのため、受験歴でもふれたように、私は予備校の答練を一度受けただけで、その後は二度と受けませんでした。

 基本書の読み方は、この程度で。
 次回は、勉強時間などについてふれていきます。

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